18世紀 クリソベリル リング
18世紀、蝋燭の炎が揺れるシャンデリアの下、
美しい衣装に身を包んだポルトガルの貴族達が夜会で身に付けていた
大変希少なクリソベリルの大型リングです。
クリソベリルはなんともいえない青いレモンのような味わい深い色で、
渋さと淡さの両方が感じられ、内側から発光するような輝きが本当に美しく
私も大好きな石です。
美しいクリソベリルは18世紀のポルトガルのアンティークジュエリーに多く見られる
石ですが、それ以外の年代では、あまり見られることはありません。
左 ポルトガルの18世紀の地図
右 クリソベリルを使ったポルトガルの18世紀のアンティークジュエリー
何故ポルトガルでクリソベリルのジュエリーが多く作られたのかですが、
それは、隣国のスペインはエメラルドの産地であり、コロンビアを植民地としていた為に、
美しいエメラルドを使った夜会用の華麗なジュエリーを作ることができましたが、
ポルトガルではエメラルドをあまり手に入れることができなかったので、
エメラルドに代わるような石を探したところ、ブラジルで淡い黄緑の石を発見し、
ギリシャ語で金を意味するクリソスを使って、石の名前をクリソベリルと名付け、
美しいジュエリーを作ったからです。
その為、18世紀のポルトガルの貴族が身につけたジュエリーには、
クリソベリルを使ったものが多く見られるのです。
クリソベリルを用いた18世紀の類似のリングです、
大型のオーバル型でクリソベリルをベゼル全面にとめています。
18世紀のジュエリー、特にリングは希少で人気があるので、
ブローチやピアスが作り変えられてリングになっているものがとても多いですが、
このリングはオールオリジナルのとても良いコンディションを保っています。
石一つ一つが輝き、ゴロゴロとした立体感も美しいです。
本当に大型ですので、さりげなくつけるというよりは、
このリングをメインにしてファッションを楽しむか、
コレクションとして楽しまれるのも良いと思います。
リングを身に付けて、18世紀の貴族達の夜会を想像するひと時も
本当に贅沢な瞬間です。
作品動画