イタリア、ナポリ出身で、19世紀に特に有名であった宝飾家カルロ・ジュリアーノの
とても珍しくて可愛いエナメルブレスレットです。
ジュリアーノはルネサンスの宝飾品に影響を受け、
エナメルを駆使したルネサンススタイルの美しいジュエリーを残しています。
この作品は何が珍しいかというと、
このブレスレットはジュリアーノのオリジナルのデザインではなく、
ブレスレットのパーツに希少な18世紀のエナメル細密画を
特別に使っているからなのです。
恐らく、このブレスレットを注文した人物が、
自分の家族の肖像の18世紀のエナメル細密画を所有していて、
それを使ったブレスレットの制作をジュリアーノに依頼して特別に作らせたのでしょう。
大切に保管されており、当時のオリジナルボックスも綺麗に残っています。
色鮮やかなエナメル細密画を見ているだけで楽しいジュエリーでコレクションに良いですし、
エナメル細密画のサイズは小さくはないし、カラフルなので、
実際に身につけるのは少し難しいかな?と感じてしまうと思うのですが、
実際に身につけてみると、これがまた可愛くて驚きます(^-^)
いつでも気軽につけられるようなジュエリーではないですが、
柔らかな色合いのカシミアのセーターの上からつけて、
ブレスレットに合わせた綺麗な色のシルクのスカーフを首にまいたら素敵ですし、
他にはないオリジナルのお洒落が楽しめると思います。
エナメルは多彩ですが柔らかな色合いで統一感があり、繊細な絵柄で品があり、
エナメルはガラス質で色が変わらないので、当時の色のまま残り続けます。
細密画一枚一枚の出来栄えも美しく、18世紀当時の衣装に身を包んだ人物が
描かれており、チャーミングです。
自分の家族の肖像の細密画を使って仕立てた特別なジュエリーは
注文主にとって大切なジュエリーであったことでしょう。
18世紀のエナメル細密画がセットされていますが、
ジュリアーノらしさは、細密画を囲む白色や水色の細いフレームや、
細密画同士をつなぐ、黒と白のエナメルのパーツのデザイン、
こんなところによく現れています。
作りは大変よく、ブレスレットの留め金も綺麗にパチッとはまります。
裏面には綺麗なマザーオブパールが敷かれ、
側面から見ても透かしの金細工が施され、綺麗です。
珍しくて上質のサインドピースが欲しい方にとても良いジュエリーだと思います。
コンディションの良いオリジナルボックス入り、
ブレスレットの裏面2箇所にカルロ・ジュリアーノのマークがあります。
家族の肖像を使った18世紀のジュエリー例