あまりのエレガントさに思わず目眩がしてしまうような素敵なブローチです、
本当は売りたくないのですが、ディーラーなので売らねばなりません(泣)
素晴らしい出来ばえのエナメル細密画で、
大きな絵画の筆致と同じレベルで風景画を描いていることに本当に驚きます。
色合い、構図、濃淡、そして繊細な筆致、優れた細密画は拡大しても美しさを損わないものですが、
このブローチも4.5cm×3.4cmの小ささにも関わらずに、
現代のマクロカメラで撮影し、ぐっと大きく拡大をしても、その美しさを保ったまま、、、
まるで画家が描いたように美しいミニチュアの風景画です。
色の美しさも写真では全くお伝えしきれておりませんので、
できるだけ言葉でお伝えしようと思いますが、
多彩で繊細で深みのある色使い、様々な色が織りなして、
風景を表現していることがよくわかります、
二人の人物がいる部分と左上に、若干の光を表し、
空には薄いブルーと淡いピンクを使っていることで
朝焼けのようにも夕焼けのようにも見える
不思議な空間を作り出しています。
手前に大きな木を力強い筆致で描き、
奥には遠く消えゆく船を薄く描くことで、
手前の木の印象を深めて、よりインパクトのある遠近感を出すことに成功しています。
右側には陸地と家、左側には水辺を描き、そのコントラストも詩的で美しいです、
そして、これら全ての構図を引き締めているのは左下の人物二人です、
試しに、この人物二人を手で隠してみた時に
この風景画の印象が薄くなってしまうことに気がつきます。
全てが計算された一枚の絵画なのです。
この作品で面白いのは、特に印象派の絵画などでも感じられるように、
絵画は離れて見たほうが美しい場合があり、
近づいてみると全く別の作品のように感じる場合がありますが、
この細密画は手のひらに乗せて目を近づけてみた時には、全く美しさを損なわないのですが、
10倍のルーペで覗いた時に初めて、極めて細かな紅茶のシミのようなものが
木々を作り上げていることに気がつくのです!!
でも、これは、ある意味、それだけ精緻な筆使いで描かれていることを示しているので
やはり大変見応えがあるということなのです(^-^)
そして、本物の絵画のように、表面はニスで仕上げをされており、
一部、ニスが厚く塗られている箇所があるようで、そこがガラスに触れて
若干ヒビ割れを起こしていますが、この作品の希少性、アンティークであることを考えれば、
全く気にならないダメージです。
細密画も出来が悪いと見るに堪えないものがあるのですが(^^;;
優れているのものは、大きな絵画に勝るとも劣らない出来栄えのものがあります、
この作品も、そのようなお品と思います。
周囲のエナメルのフレームもネオルネサンススタイルで、風景画の雰囲気に
あっていて大変美しいです。
せっかくの美しい細密画ですから、それにあったフレームがついていて
ホッと致しました。
上質のアンティークジュエリーは写真よりも実物のほうが何倍も美しいものですが、
このブローチも、実物の方がずっと美しいです、
本物の油絵の具で仕上げたような出来栄えを、小さなミニアチュールで作り上げており、
一際優れたマイクロカーブドアイヴォリー、マイクロモザイク等のように
手にとって初めてわかる驚異の世界があると思います。
ストールを留める時などにも使うととってもお洒落です(^-^)
裏面には銀色のマザーオブパールが敷かれています。