ポーリーヌ・ボナパルト カメオ ブローチ
19世紀初頭のとても繊細な表現のカメオジュエリーです。
全体的に大変素晴らしい彫りですが、髪の毛、目、鼻、、、特に唇のふっくらとした表現が見事です。
ふっくらした唇の彫りの美しさはルーペでみてわかるくらい繊細でさりげない良さですが、
細かな部分の彫りが洗練されていると、不思議と全体のイメージがぐっと変わってくるので
細部へのこだわりが全体の美しさの源となっていることがわかります。
カメオは立体的だから美しいというわけではなく、平面的だから美しくないというわけではありません。
ざっくりした彫りだから美しくないわけではなく、細かい彫りであるから美しいわけでもありません。
カメオは小さな芸術彫刻作品である為、全ては全体の調和が優れているかどうかが大切になってくると思います。
このカメオの美しさを出来るだけ感じて頂けるよう、ライティングを変えてお写真を沢山掲載していますので、
写真によってカメオの色合いが変わって見えていると思いますが、実物は、グレーがかったピンク色と
アイヴォリーがかった白色のアゲートです。石の周りをブラックエナメルが囲んでおり、全体がキュッと引き締まって見えます。上品な天然真珠が周りを囲み、さらに外側の細いフレームには細かな彫金が施されています。
優しくフェミニンなデザインは、このカメオのモチーフに選ばれた女性を表しているようです。
このカメオのモチーフの女性は、髪の毛にリボンをくるりと巻いているスタイルと、
このカメオが製作された頃に絶世の美女であったナポレオンの妹の一人、ポーリーヌ・ボナパルトです。
ローマのボルケーゼ美術館に、アントニア・カノヴァ作の
ヴィーナスヴィクトリスとしてのポーリーヌの有名な彫刻が残されていますが、
この彫刻作品もカメオと同じヘアスタイルで表現されています。
髪の毛の柔らかな表現などがとても繊細ですね。
カメオの厚み自体は、通常の厚みですが、それを感じさせないほどの奥行きが表現されています。
カメオを囲むブラックエナメルは全体を引き締め、天然真珠の照りと艶の美しさ、
外側の細い金のフレームの彫金も綺麗で、洗練されたデザインのフレームです。
ブローチ&ペンダントとして使えるようになっており、
ペンダントとして使う時は、ブローチピンが外れ、ピンの受けを内側に倒すことが出来る作りです。
ブローチとして使う時は、ペンダントようの金具を内側に足すことができるようになっています。
ペンダント用の金具につけるバチカンは職人に依頼して作らせることができます。
左 コルシカ島にある、ナポレオンの一族の家族の肖像のカメオです。
〜National Museum of the Bonaparte Residence in Corsica〜
右 ポーリーン・ボナパルトの肖像画
彼女は肖像画でカメオのジュエリーを沢山見につけていますが、
彼女自身がカメオジュエリーのモチーフに選ばれているのはなんとなく楽しいですね(^-^)