16世紀 ルネサンス 水晶 リング
1580年頃のルネサンスの希少なリング、ベゼルにセットされている黒っぽい石は水晶です。
何故黒っぽくなっているかというと下に引かれた泊が変色している為なのですが、
この箔の変色が時の流れを感じさせて、それもまた渋く美しいのです。
約400年を経て古の美を感じさせる指輪として残っていてくれましたが、
16世紀当時に、この指輪がどのような姿をしていたか?も興味がありますよね。
リングの色はシルバーギルトの為に金色をしていたでしょう、
ベゼル下に敷かれた箔が何色かであったかはわかりませんが、銀色の箔の場合はダイヤモンドのように輝いたでしょうし、
赤色など色がついた箔の場合はルビーのように赤い光を放っていたと思います、
今は失われていますが、リングには鮮やかなエナメルが彩られていたことでしょう。
今は全ての色彩を失って、グリザイユの細密画のようにモノトーンでシックな色合いになっていますが、
それが逆に時の流れを感じさせ、ルネサンスの肖像画に出てくるような華やかさを思い起こさせる
アンティークらしい味わいが感じられる古の美しいリングです。
他のルネサンスのリングのように、裏面にもエナメルが程こされていたことでしょう。