シェルカメオ アルテミスとカリストー ブローチ&ペンダント
古代神話の処女神アルテミスと、彼女に使えるニンフのカリストーをモチーフにした
絵画のように美しいシェルカメオです。
カリストーはとても美しい娘で、処女神アルテミスと共に森で狩猟をする生活を送っていました、
アルテミスと共にいるには処女でなければならないのですが、カリストーの美しさに魅せられたゼウスが
その身をアルテミスに変えて、カリストーを騙し、思いを遂げてしまいます、
それに気がついたアルテミスは処女ではないカリストーを森から追い出してしまうのです。
カリストの物語には続きは
こちらから。。。。
近接した二人の人物を彫るのはとても難しいのですが、
このカメオは薄いシェルカメオにも関わらず、奥行きが感じられるよう、
計算された構図を元にした素晴しい彫りです。
カリストーの肩に手を回したアルテミスの手と、
左端に垂れ下がったアルテミスの衣服、右側の雲のようなものが一番奥に位置し、
アルテミスの右膝、左足のつま先、カリストーの手前へ垂れた衣服、左足が手前にきていることで
この薄いシェルという制約がある中で、奥行きを出すことに成功しています。
手前の二人の足下から頭へ向かって三角形を描くような安定感があり、
スッと違和感なく目に入ってくるカメオです。
ブローチ&ペンダントとして使えます。
多くのカメオは絵画からインスピレーションを得ますが、このカメオはこの絵画からインスピレーションを受けています。
面白いのは、絵画の構図を反転させ、木とゼウスを表す鷲を省き、アルテミスとカリストーの人物がはっきり浮かび上がるように
しているところと、カリストーの乳房がカメオでは隠されているところです。
絵画は18世紀の作品ですが、カメオは19世紀の作品です、19世紀には裸婦に対してはとても厳しい見方があった為に
その影響であえて乳房を隠しているのだと思います。