アリアドネ シェルカメオ ブローチ&ペンダント
ゆったりと幅広のシェルに、ミノアの姫アリアドネを見事に彫り上げたカメオです。
左向きで、やや伏し目がちの静けさを感じさせる横顔、
豊かで波打つような巻き毛は先端が細く踊り、
彼女が酒神バッカスの妻である彼ことを示す葡萄が
髪全体と右肩から胸元へかけて飾られています。
この葡萄の表現が実に見事なカメオで、葡萄の大きな葉が写実的に立体的に重なるように彫り込まれ、
その隙間を大小の葡萄の実が埋めています、
そして、葡萄の枝が本物の枝のように完全に浮いた状態で所々にさりげなく彫り込まれていますが、
このような難しい彫りをさりげなく施しているのも、このカメオの見どころでしょう。
19世紀のシェルカメオはそれほど珍しくはありませんが、これほど見事な彫りのシェルカメオも
なかなか見つけることはできません。
節目がちの横顔、柔らかさを感じさせる頬、すっきりとした鼻筋、
小さな口に豊かな顎、絵画のような美しさを感じます。
豊かな葡萄の葉の表現も見事ですね。
左側の写真のオレンジ色の丸で囲んだ枝部分が完全に
浮いた状態で彫られている箇所です。
そして首元の2連のネックレスの表現も、
さりげなく交差しているところに見応えを感じます。
ブローチのクラスプ部分は曲がるようになっているので、
ブローチとして使った時に邪魔になりません。
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