16世紀 ルネサンス カメオ ペンダント
ルネサンスの希少な小さなカメオがセットされたペンダントです。
フレームは18世紀の作ですが、カメオの雰囲気にとてもよく似合っていると思います。
ざっくりとした彫りですが、ルネサンスの肖像画に描かれているような
女性の姿の特徴をよく捉えており、当時の肖像画で確認をすることができます。
彫りの精密さを楽しむ、というよりは、カメオの醸し出す雰囲気や、
豪華な衣服に身を包んだルネサンスの貴族が所有していた
古のカメオを手のひらに乗せることで夢を見る為の作品です、
16世紀の小さな小さなカメオを所有するのは上質で素敵な楽しみだと思いませんか?
下の写真は、ルネサンスの同タイプの作品の資料です。
小さなカメオであっても、本物のルネサンスのカメオはとても希少なので、
本にまとめられています。
今回ご紹介しているような小さなカメオ達ですね。
この片方の胸を出すスタイルはルネサンスのカメオにとてもよく見られ、
何故このスタイルなのか? については、はっきりとした理由はわかっておらず、
資料によって説明が違います。
16世紀の女性の肖像画
イギリスのエリザベス女王のコレクションにも片方の胸を出した小さなルネサンスのカメオがありますが、
モチーフは 若い女性 と書かれています。
歴史的に有名な女性 をモチーフにしたルネサンスのカメオでも片方の胸を見せていますし、
当時、美貌と教養を兼ね備えた女性のみがなれた 高級娼婦 である、という
説明がされている場合もあります。
とくに、今回ご紹介しているカメオはハートを手にしており、中世のタピストリにも
ハート差し出すモチーフがあるように、これは 私の心を捧げます という意味があるのだと思います。
この小さなカメオを愛のしるしとして贈ったのかもしれません。
カメオは18世紀に天然真珠をあしらった素敵なペンダントに仕立てられています、
上下からグラデーションを描くような真珠のセットの仕方が美しいです。
18世紀の人々も、このルネサンスのカメオを大切に扱い、
憧れを込めてジュエリーに仕立てていることがわかるのも、とても面白いですよね、
こういったことがアンティークジュエリーの何よりの楽しさ、美しさなのです。