FALIZE ファリーズ ラファエル前派スタイル エナメル ペンダント テューダーローズ
19世紀、エナメルで名高いジュエラーFALIZE(ファリーズ)の
美しいクロワゾネエナメルペンダントです。
淡いピンクの珊瑚のような花とエメラルドのような透明な葉の部分が
クロワゾネエナメルでできています、金色の部分はエナメルが施されておらず、
モチーフ部分の立体感が引き立つタイプの作りです。
ファリーズは卓越したエナメル技法と独創的なデザインで、
19世紀フランスの偉大なエナメルジュエラーとして名を馳せ、王侯貴族に愛されました。
ファリーズのエナメル作品はエナメルの魅力を最大限に生かしたデザインと、
色とりどりの美しいエナメルがまるで宝石のように美しいのが特徴です。
このペンダントの3輪のバラの装飾はテューダーローズです。
テューダーローズは、中世イギリスにおいて、白薔薇のヨーク家と赤薔薇のランカスター家が対立をしていた薔薇戦争が終わりを迎えた時に、両家の融合を象徴した薔薇として生まれました。
19世紀、ラファエルが誕生する前の中世やルネサンスの芸術を模範としたラファエル前派が生まれ、中世薔薇戦争のテューダーローズがあしらわれたこのペンダントもラファエル前派のスタイルのもの。
例えば、上のフランク・カドカン・クーパー作の絵画の黄色いカーペットの絵柄など、このペンダントのデザインの雰囲気ととてもよく似ています。
19世紀にはまだ作品にサインを入れる習慣がなかった為に、この作品にはサインがありませんが、スタイルと技術から間違いなくFalizeと言える作品です。
ファリーズのエナメルの作品は手に取って動かした時に、作品の真の美しさがわかります。
エナメル部分は艶やかに盛り上がり、薔薇の部分のマットなエナメルと葉の部分の半透明のエナメルの対比と、土台の金の輝きのバランスが見事に調和しています。
また、エナメルの間をすり抜けるような、髪のように細い金線に光りが当たった時に見える
光の行方を示唆するような輝きが非常に美しい瞬間を見せてくれます。
クロワゾネエナメルとは細い金細工を境目にしてエナメルを施す技法の事です。
このように拡大するとその素晴らしさが良くわかります。
そして、このペンダントのバチカンはとても面白い形をしています。
これは真珠のネックレスにもペンダントとして使えるようにする為のもので、
バチカンがチェーンのクラスプのようになっているので、真珠の間につけることができます。
チェーン、紐、真珠、ペンダントとして3通りで使えますが、
大きめのビーズのネックレスにも真珠同様に使えると思います。
他のファリーズ作品に見られるように、裏面は青いエナメルです。
左の肖像画はエナメルで名高いファリーズらしく、エナメルでたものです(^-^)