古代ローマ 3世紀 カメオ 霧のヴィーナス ブローチ
古代神話の息吹を感じさせる神秘的な雰囲気の古代ローマのカメオです。
古代ローマのカメオの中では大変珍しいモチーフで滅多に見ることができません。
神へワインを捧げる器パテラを持ち、薄布をまとったヴィーナスが木の下に横たわり、
上半身を捻り、片膝を立てたポーズは、カメオの小ささを感じさせないほど、ゆったりとしています。
写真では平に見えてしまうのですが、実物はざっくりとした立体感があります。
この美しく優雅なモチーフは古代ローマのカメオの中では珍しく滅多に見ることができず、
フランス王室のカメオ&インタリオのコレクションを収めるキャビネ・ド・メダイユに
類似作品が一つ収められています。
使われている石は非加熱のオニキスです、全体にマットな質感ですが特に白い部分の石の質感は面白く、
うっすら半透明で霧がかったように見え、木の下の女神の姿を隠しているようで、
モチーフにぴったりでとても神秘的です。
古代の壁画にも、横たわる女神のモチーフが色鮮やかに
描かれており、古代ローマの雰囲気がカメオを通してよく伝わって来る作品です。
ヴィーナスは、いつの時代でも愛が消えないように、誰からも愛の女神ヴィーナスの力からは逃れることができない、
と言われ、古代世界でも大変人気のあった女神なのです。
フレームは現代のものですが、このカメオにぴったりの大きさとバランスで
カメオの雰囲気がとてもモダンでお洒落なものになっているのもいいですね。