ローマン マイクロモザイク ブローチ
アンティークジュエリーならではの古の職人の技が光る、
マイクロモザイクの一級品をご紹介いたします。
マイクロモザイクとは、1つが1ミリ以下に満たないテッサラと呼ばれる、
極めて小さなガラス片を隙間なくはめ込んで絵のように仕立てていくテクニックです。
このマイクロモザイクのテッサラは1ミリの中に4つのテッサラが入るほど小さなもので、
色合いも繊細で多彩です。
このような出来栄えの良いマイクロモザイクは細かなテッサラを
パズルのように信じられない程に上手くはめこんであり、
絵画の筆致を思わせる微妙な色合いと陰影等が表現され、
表面は細かなガラス片をはめ込んだとは思えないほど滑らかな触り心地で、
ざらつきをあまり感じさせず、光が当たれば一つ一つのテッサラがまるで鱗のように綺麗に光を反射してくれます。
優れたマイクロモザイクですから遠くから見ると、
味わい深いミニアチュールに見えるのですが、
近寄って手のひらに乗せて覗き込めば、信じられないほどに細かな驚異の世界が広がっているのです。
マイクロモザイクで大切なのは、テッサラの細かさ、隙間のなさ、絵柄、色合い等です。
マイクロモザイクは18世紀にグランドツーでローマを訪れた人々のお土産品として作られたため、
古代ローマの遺跡などの定番のモチーフが多いので、今回ご紹介するような絵柄は極めて珍しいものになります。
実物は写真の何倍も美しく、この作品の良さは写真ではお伝えできていないのがとても残念です。
拡大した状態でも、驚異の細かさを感じていただけると思いますが、
実物の大きさはたったの3,3cm×2,7cm。
1ミリの中に4つのテッサラが入る細かさですから、
どんなに目を凝らしてもテッサラ一つ一つを肉眼で追うことは
ほぼ不可能だと思いますし、見ているだけで目がとても疲れます。
古の職人は、このようなあまりにも細かな作業をしすぎた為に、
視力の低下は勿論、失明をしてしまう職人もいたほど、、、。
人間の器用さのレベルは道具のない時代ほど、優れているのです。
お土産品と言っても、当時、グランドツアーなどに行ける人々は
貴族や上流階級に限られていましたからとても高価でした。
特にこのような特別に優れた珍しい題材の品はオーダーで作られた可能性があり、
他のマイクロモザイクとは違う際立った美しさが感じられます。
岩場に腰をかけて、足を組んで楽器を弾く姿が絵で書いたように見事に表現されています。
手前にいる女性や、手前の草など、奥にいる男性よりも
やや濃く深みのある色合いのテッサラを使うことで、
自然な遠近感が表現されています。
奥の方には山がうっすらと表現されており、
小さなマイクロモザイクの中でも、このように色合いや背景を
工夫することによって、さりげなく自然な奥行きが生まれているのが素晴らしいです。
繊細な色合いを使い分けることで作品の完成度を更に高めています。
表面が滑らかなので、角度を変えれば、綺麗に光を反射してくれます。
一つ一つのテッサラが個別に光を反射するので、まるで鱗のように光が連なり、
このマイクロモザイクの細かさを改めて感じます。
このマイクロモザイクのブローチにふさわしい絵画の額縁を思わせる金細工のフレームも美しいですね。
アンティークならではの古の職人の技を感じる秀品ですから、
鑑賞用としてとても満足度の高い作品ですし、
これほどのマイクロモザイクのブローチは滅多に出てこないと思います、
お値段もパリ発の為に、品質の割にはとてもお求めやすいものにいなっております。
四角い形なので、シンプルなワンピースなどにアクセントでつけたり、
ストールを留めたりする時に使えば、小さな絵画をつけているようで個性的なお洒落が楽しめますし、
美術館に行く時などに身につけたら楽しい作品です(^-^)