19世紀初期 ヘラクレスとへーべー アゲートカメオ
小さな器を手に取り岩に腰をかけている男性はヘラクレス、
小さな壺を手に持った女性は、ゼウスとヘラの娘でヘラクレスの妻でもあるヘーベーです、
彼女は青春を司り、不老不死の妙薬アンブロワジーを神々へ注ぐ女神です。
半透明のアゲートのカメオなので、裏側から光をあてると、
神々の住まうオリンポス山での永遠の時を表しているような
輝かしい光の中にいるようなオーラと、
今にも動き出しそうなう柔らかさを感じます。
抜群の彫りの良さは、どこを見ても不自然なところがなく、
まるで古の彫刻のような美しさ。
構図の安定感も素晴らしく、一つの作品としてキュッとまとまった
大変バランスの良いカメオです。
フレームもシンプルに極力細身に仕上げられていますが、
18kが使われているので高級感を損なわず、
綺麗な彫金が施され、カメオを美しく引き立てています。
裏面のブローチピンは後の年代につけられた物です。
左 GIUSEPPE GIROMETTI作のカメオ付きボンボニエール。
殆ど同じデザインですが、こちらは、ヘレクレスではなく、ヘーベーの父ゼウスにアンブロワジーを注いでいます。
半透明のアゲートなので、軽さがあり、楕円の形と品の良いフレームにおさめられています。