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15世紀初期 サファイヤ リング en boen an(en bon an) 新年の贈り物

15世紀初期 サファイヤ リング en boen an(en bon an) 新年の贈り物


中世の指輪は本当に希少です、絶対数が少なく、人気がありますから、良い作品に出会える事は本当に稀です。

私が古のジュエリーが宿すロマンに特に魅力を感じているということもあり、
ソレイユではパリ発という利点を生かして力を入れて扱っておりますが、数が少なく人気があるので、
通常は古の珍しい作品をこうしてご紹介出来ることは滅多にないことです。

中でも「特別に高品質な作品」というと、さらに手に入りにくくなります、
金の質が悪かったり、ボロボロだったりすることが殆どで、曲がった状態で美術館に展示されているものもあるくらいです。
ですが、古の作品に心底魅力を感じている専門家達との繋がりや、
パリ在住の利点を生かして、古の指輪を集めることが出来るのです。

古の指輪は、勿論ジュエリーですから身につけて楽しむ事が出来ます、ですが、
深い魅力は実際に身につけてお洒落を楽しむ、という、ジュエリーであれば当然の役割からは少し離れたところにもあり、
指輪の中に眠るロマンがどうしようもなく心を突き動かしてくるものなのです。

素晴らしいジュエリーは、夢であり、そこにあるだけで、その場の雰囲気を変えるもの、、、
私達よりもずっと長生きし、確かな価値が認められ、人々の手を何代にも渡って生き残ってきたもの、、、
身を飾る指輪ではありますが、少し見方を変えて、美術品として接してみるとよい指輪です。


参考写真 新年の贈り物の銀の指輪 15世紀

中世、14世紀頃、高貴な人々の間で新年に贈り物としてジュエリーを渡す習慣がありました、
それは、リング、ブローチ、ペンダント、バッジなどで、位の高い人々の間では勿論、彼らに使える騎士や使用人達へも贈られました。



参考写真 新年の贈り物の金の指輪 15世紀

素材は金や銀が使われました、殆どの場合は銀ですが、位の高い人々へは金を使った物が贈られました。
勿論、当時とても希少であった金を使ったジュエリーを用意出来たのは一握りの限られた人々のみです。



新年を祝う指輪は、参考写真であげたように、銀の指輪と金の指輪のようなものが殆どですが、
サイトでご紹介しているのはこの例外的な素晴らしい指輪です。

ベゼルには神への祈りを届けると信じられていた聖なる石サファイヤがセットされています、、、
サファイヤは当時とても希少で、危険な旅の末に西洋にもたらされたものだったので
滅多に用意することは出来ませんでした、
そして、ベゼルにはうねるような装飾とともにホワイトエナメルが施されています、
この装飾の美しさも例外的です、花は恐らく天国を表し、刻まれている文字は en boen an(en bon an) です。
これが新年を祝う言葉です。

アンティークジュエリー 中世 リング 指輪 エナメル サファイヤ 

新年に贈り物を渡す、という毎年やってくる習慣に対して、サファイヤを用いた特別なデザインの贅沢な指輪を用意することが出来たのは、
極めて位の高い貴族、もしくは王族に限られています。

宝石類は高価なので、そのような費用をかけていたことは、当時の帳簿や請求書、
その他の中世の文献にも残っています。

1 1384年 王家の金細工職人であったJehan du Vivierは、106個の小さなバッチを作り、
それらは、チャールズ4世の騎士や従者に新年のプレゼントとして贈られました。

2 1448年 アンジュのルネ王が、銀の108個のバッチを身分の低い召使いに、
そして12個の金のバッチを騎士に贈りました。

3 1373年 ランカスター公ジョン・オブ・ゴーントが贈ったプレゼントの帳簿から、
彼がロンドンの金細工職人達から銀製品、金のビーズ(ロザリオ用、金のブローチ、指輪、
その他の宝石を購入し、新年の贈り物としたことがわかっています。

4 1392年 オルレアン公ヴァレンティーヌ・ヴィスコンティは、
パリの金細工職人兼宝石商のJehan Tarenneから多くの宝石を購入し、正方形のダイヤモンドを義兄弟の王に、
サファイヤ、真珠、その他の宝石を、王の娘であるイザベル姫、ジャンヌ姫の教育係に、そして、王妃の使用人に贈りました。
宝石類を購入できるのは、極めて限られた人々であったことがわかります。



そして、面白いのは、刻まれた文字 en boen an(en bon an) です。
古では今よりもずっと文字の普及率が低く統一されておらず、書き言葉と話し言葉が一致してはいませんでしたから、
このようなスペルミスが普通にみられます。

このスペルミスは、古の指輪ではよくあることで、このようなところからも、
当時の人々を感じることが出来て、とても面白みがあるのです。

さらに、このような文字はゴシック体ですから、現代に生きる私達にとってはとても読みにくいものなのですが、
一文字一文字を読んでいくことは、そのまま、心を中世へと誘うことに他なりません。

こうして数百年の眠りから覚めた中世の指輪は、正しく意味を理解されて現代に蘇り、
これからも「中世の新年を祝う指輪」として生きていくことが出来るのです。

この指輪には身を飾るジュエリーという魅力も勿論ありますが、そこから少し離れて見方を変えて、
美術品として接する事で、この指輪に宿った深い美しさに更に迫れる筈です。

「アンティークジュエリー」が持つ奥深さは人間が歩んだ歴史と共にあり、計り知れないもの、だからこそ面白く、情熱を燃やせるもの、、、
少しずつではありますが、「アンティークジュエリー」の持つ深い魅力をいろいろな角度でご紹介していきたいと思います。








これは1400年の類似作品です、うねったデザイン、エナメルのデザインが似ていますね。



15世紀の祈禱書、位の高い人々の生活を感じることが出来ます。




22号ですから男性用の指輪になります。金を沢山使った贅沢な作りですから着用は十分にできますが、
白いエナメルが残っているのはとても貴重ですので落としたりされないよう、十分にお気をつけ下さい。

女性の方は、短めのリボンでキュッと結んで首から下げてもとても素敵だと思います。

世界に一つしかない「宝物」です。

 
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15世紀初期 サファイヤ リング en boen an(en bon an) 新年の贈り物

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国 名
フランス
年 代
15世紀初期
素 材
サファイヤ ハイキャラットゴールド ホワイトエナメル
サイズ
0,7cm 22号
コンディション
素晴らしいコンディションです、エナメルが若干禿げていますが、年代の古さから普通のコンディションです。

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