孔雀 ダイヤモンド バロックパール ブローチ
ルネサンスの頃より歪なバロック真珠は宝飾において、ジュエラーがその歪な形からインスピレーションを得て、バロック真珠を幻獣の胴体等に見立ててジュエリーに仕立てるなどの幻想的な使い方がされてきた真珠です。
バロック真珠の歪な形を見て、それを何に美しく仕立てるのか?それはアーティストであるジュエラーのセンスの見せ所だったのです。
この美しい孔雀のブローチの胴体にもバロック真珠が使われています、いちじくのような形から、ふっくらとした鳥の胴体と細い首のイメージが得られたので しょう。バロック真珠だけではなく、全体的に丸く可愛らしいフォルムのコロンとした孔雀のブローチ、形は可愛いですが、孔雀は女神の女王ユノのアトリ ビュートなのも納得の気品のある鳥ですから、このブローチにも華やかな気品が感じられます。羽に見立てられた天然真珠やダイヤモンドも質の良いものが選ば れ、キラキラと輝く作品です。
このブローチが作られた1860年、そしてその後はアールヌーヴォーに至るまで、オリエンタリズムはとても人気があり、ファリーズもペルシアンスタイルのエナメル作品を残しています。
孔雀はペルシアの貴族階級に人気のある鳥で、彼らが楽園をイメージして作らせた広大な庭に放し飼いにされるなど、古来より大切に愛でられた鳥ですから、そんなところからも孔雀のデザインが選ばれたのかな、、なんて思っています。
孔雀の目はカボッションルビーで出来ています。
顔と首の周りには小さなダイヤモンドが隙間なく留められています。
横から見ると分かると思いますが、胴体の部分は前へぐっとせり出した形で立体感のあるブローチです。
ブローチピンはセーフティー付きですから安心です。
裏面。
裏面のピンは後の時代に付けられたものなので、おそらく、この孔雀は何かのパーツの一部だったのだと思います、美しい孔雀をブローチとして楽しめるように加工したのでしょう。
オリエンタリズム、孔雀の美しい装飾。
「ユノと孔雀」 1881-81
ギュスターブ・モロー作
アールヌーヴォーの孔雀のエナメルブローチ。