15世紀 イコノグラフィック ゴールドリング
大変希少な15世紀の美しいゴールド製のイコノグラフィックリングです。イコノグラフィックリングとはベゼルやショルダーに、聖家族や、リングの所有者の 守護聖人を彫り込んだリングのことで中世の人々の信仰が図像に現れています、また聖人が刻まれるだけではなく、内側や外側に文字が刻まれる事もあります。
主に結婚や新年の祝いの品として好まれたリングです。
このイコノグラフィックリングは、ベゼルとショルダーに合わせて4面に彫金があり、イコノグラフィックリングの中でも珍しいタイプになります。
ベゼルの片方には、聖母マリアと幼子キリスト。
本来イコノグラフィックリングにはエナメルが施されていますが、現存しているものは、このようにエナメルが失われているのが普通です。
もう片方のベゼルには聖ヨハネ。
リングの素材は、ゴールド、シルバー、シルバーギルトなどが用いられました。
このリングはその中でも金がたっぷり使われたとても贅沢な作りのものになります。
ショルダーにはIHSの文字が彫り込まれています。これはラテン語でイエスが救済者であることを示す Jesus Hominum Salvator を意味しています。
もう片方のショルダーには、聖なる父とイエスが彫り込まれています。
イコノグラフィックリングは14世紀中期より始まり16世紀初期まで続きますが、宗教改革により、その後に姿を消してしまいます。
側面。
イコノグラフィックリングは主にロンドンで多く作られたリングですが、ノーリッチ、ヨーク、エディンバラ等でも作られています。
側面。
ベゼル正面。
このイコノグラフィックリングは現存するものの中でも、最も複雑なタイプのものになります。
15世紀の希少な指輪ですからサイズ変更はしてはいけません。
ベゼル裏面。