古代美術 古代ローマ 2世紀〜3世紀 インタリオ 軍神マルス
透明感のある茶系の石が使われた古代ローマのインタリオ、モチーフは古代ローマの農耕と戦の神マルスです。
古代ローマのインタリオは、モチーフの種類や、彫りに加えて、古い石自体の美しさも魅力の一つです。この軍神マルスのインタリオの石はダージリンティーのような色で透明感があります。
古代ローマ時代には、多くのインタリオはお守りを兼ねた装飾品として身につけられていました、このインタリオは軍神マルスの加護を願う兵士が身につけていたものかもしれません、または、その兵士の帰りを待つ女性が作らせてお守りとして持っていたのかもしれませんね。
このインタリオの軍神マルスは兜、槍、盾で武装をしており、さらに手のひらに勝利の女神ヴィクトリーを載せていますから、強い勝利の加護を祈って彫られたものです。
さらにこのインタリオが面白いのは石の状態です。
石の裏側や、インタリオの淵に黒い石のような固まりが数カ所こびりついていますが、これは、このインタリオが、恐らくシルバーリングにセットされていた時 のオリジナルの接着剤だと思います。インタリオが見つかる時は、指輪から外れた状態で見つかることが多く、石がリングにセットされていた時の名残が感じら れる場合があります。
大変ざっくりとしたダイナミックな彫りです。
戦の神らしく、兜、槍、盾で武装していることがわかります。
手のひらに載せているのは、勝利の女神ヴィクトリーです。
かなりざっくりした彫りなので、何が彫られているのか、はっきりとはわかりませんが、インタリオとしての基本のスタイルから何が彫られているかがわかります。