Fabergé(?)ファベルジェ ゴールド ブローチ
ロシアの天才宝飾家ファベルジェ作だと思われるブローチ、小さくても気品と存在感があり、厚みのあるずっしりとした作りの良さと立体感が際立つとても美し い作品です。中央の小さなサファイヤも綺麗な石で、左右のダイヤモンドも小さいのですが、カットがとても細かくて輝きの強い美しい石がセットされていま す。
このブローチには変わった由来があり、本体にはファベルジェの刻印があった筈ですが、革命後にファベルジェの刻印の上に、ソビエトにより新しい刻印が押さ れて、ファベルジェの刻印が消されてしまっているようです。現在は刻印の変わりに、インベントリナンバーが7610であることによって、ファベルジェ作の 可能性がかなり高いことと、1899年以前にサンクトペテルブルクで制作されたことが分かっています。
ロシアのアンティークジュエリーは、ロシア革命時に貴族達が亡命する時に外国へ持ち出された物が殆どです。何故、このブローチのファベルジェの刻印が消さ れているのか詳しいことは分からないのですが、これはロシア国内に留まったジュエリーに何が起こったのかを感じることが出来る興味深いジュエリーの一つで す。
サファイヤの両脇のダイヤモンドは小さくても輝きが強く存在感のあるダイヤが選ばれています。
サファイヤの両脇のダイヤモンドは小さくても輝きが強く存在感のあるダイヤが選ばれています。
この56という数字から、このブローチが14kで出来ているロシアンジュエリーであることがわかります。その下に本来なら、ここにファベルジェのマークがあった筈ですが、今は失われており、このジュエリーに一体何が起こったのかをついつい想像してしまいます。
この14kというのは通常は品質の低いジュエリーに使われることが殆どですが、ロシアの場合は14kでジュエリーが作られるのは普通のことですから、このジュエリーの品質が悪いわけではありません。
側面から見てもダイヤモンドにしっかりした厚みがあります。
横から見ると、素晴らしい厚みがあるかなりしっかりした作りであることが分かります。
もっと大きなブローチでも、ここまでの厚みのある作りのブローチはなかなか見かけません。
中央に向かって盛り上がっている立体感に大変優れた作品です。
裏面。