18世紀 インタリオ ブローチ
18世紀後期の素晴らしく繊細な彫りのインタリオです。
18世紀は古代遺跡発掘に伴い、古代神話世界への憧れがそのまま作品となることがあり、
実際に存在 しなかった神話が想像されて作品として作られました、
又は、遺跡の壁画などに残っていた、神話としてそれほど有名ではないシーンを
そのままインタリオやカ メオ作品のモチーフとして使う事もありました。
この赤く美しいコーネリアンに彫り込まれたインタリオも、
モチーフが神話として広く知られているものではないので、おそらく想像で彫られたものか、
古代遺跡の壁画などから参考になるシーンを彫りこんだものだと思われます。
この18世紀の夢溢れるインタリオは、19世紀に天然真珠のフレームにセットされ、
ブローチとして仕立てられています。
比較的大型のインタリオで、天然真珠をあしらったような
美しいブローチになっている作品は珍しいです。
柱の上にのっているのは牧神パンです。
コルヌコピアを持つ人物らが、生け贄の祭壇に火をともしているシーンです。
有名な神話の世界にはないシーンなので、18世紀の人々の想像の元に制作されたものか、
壁画などから着想を得たものだと思われます。
細かな描写に想像力が刺激されます。
インタリオの美しさの楽しみ方は、粘度に押したり、いろいろありますが、裏から光を当てて透かして見る方法があります。
夕日に神話が浮かび上がるようで美しいです。インタリオをお持ちの方は是非試してみて下さいね。
裏面。
裏面のシルバーにも綺麗な彫金が施されています。
見えないところまで手がかけてあるのが、とってもいいですね。