ギリシャ公女 マリー・ボナパルトのカメオ
ギリシャ公女マリー・ボナパルトの横向きの半身像を、写実的に映す二層からなる美しい楕円形のカメオは、繊細さと上品さを余すところなく表現したものです。
マリー・ボナパルトの雰囲気を、時を超えてまるで写真のように伝えてくる作品です。
左向きの横顔が刻まれ、肩下には「LS」のイニシャルが記されています。カメオ裏面には彫刻師の名がL・Staigerと薄く刻まれています。
金色のシンプルなフレームがつけられ、カメオ裏面にはカメオを立てて飾れるようになっている小さなスタンドとペンダント用のバチカンが付いています。
〜このカメオの歴史について〜
このカメオはウジェニー・レティシア・ボナパルト公女 (1872-1949) の所有物でした。
彼女は、リュシアン・ボナパルトの孫で皇帝の兄弟であったシャルル・ナポレオン・ボナパルトの娘、マリー・ボナパルトのいとこであり、レオ・ナポレオン・ ルイ・ミシェル・ネイ (1870-1928) 、ネイ4世 (1884) の妻であったが、1903年に離婚し、子供は残していません。世襲により、先代の弟でありエルヒンゲン公5世 (1884) およびネイ5世 (1928) となったシャルル・ジャン・ガブリエル・アロイス・ネイ (1873-1933) の所有となります。相続により、ジョルジュ・ミシェル・ネイ・エルヒンゲン・ナポレオン (1905-1969) およびネイ6世 (1933) の一人娘、レティシア・ジェルメーヌ・マリー・アニエス・エルヒンゲン・ネイ (1940-2005) の所有となりました。
優しい眼差しが伝わってきます、、、。
マリー・ボナパルトは、リュシアン・ボナパルトの孫であるロラン・ボナパルトと、大富豪フランソワ・ブランの娘であるマリー=フェリックス・ブランの娘として生まれました。
マリー・ボナパルトは大変魅力的な女性で、フランスの作家でもあり、フランス初の精神分析学者でもあります。
ジークムント・フロイト、心理学者ギュスターヴ・ル・ボンと親しく、ジークムント・フロイトの著作の翻訳も行い、フランスで最初の精神分析学会の創設に参加しています。またナチスよりフロイトの亡命も助けています。
彼女はギリシャ王子ゲオルギウスと結婚し、その時に身につけたティアラが、、、
この素晴らしいティアラです。
マリー・ボナパルトの写真。
マリー・ボナパルトの写真。
こうして見ると、カメオにとても良くにていますね。
優しくふんわりと編み込まれた髪、まるで絵のように繊細な描写です。
丸みを帯びた肩は手前に迫ってくるような立体感が見事に表現されています。
カメオには十分な厚みがあります。
このカメオはペンダントとしても使えるようになっていますが、カメオを立てて飾れるようにスタンドもついているのが素敵です。身につけない時は机の上にそっと飾って楽しむことができます。
横から見るとこのような感じで、スタンドはとても安定しています。
スタンド付きなので、手に持たなくてもいろいろな角度からカメオの彫刻を楽しむことが出来ます。
スタンド付きなので、手に持たなくてもいろいろな角度からカメオの彫刻を楽しむことが出来ます。
裏面から光を当ててると、暖かみのある赤茶色の背景にマリー・ボナパルトが浮かび上がります。
作者のイニシャルである「LS」が彫り込まれています。
L・Staigerはパリのパレロワイヤルのギャラリー・ド・ヴァロワにギャラリーを構えていました。