18世紀 カメオ ディオニソスの巫女 マイナス リング
このカメオが作られた18世紀には、ローマで古代都市ポンペイ、ヘラクラネウムが続いて発掘され、人々の情熱は、突然に姿を表した古代世界へと向かっていました。勿論、その熱狂は芸術作品へも影響を与え、新古典主義、ネオクラシシズムが生まれるのです。
古代遺跡や、遺跡から発掘される美術品、装飾品からインスピレーションを経たジュエリーからは、デザイン、技巧等、古代世界への憧れが感じられます。
カメオも、例外ではなく、古代彫刻、古代のコイン、古代神話に登場する人物を題材に選び、彫刻師の自由な解釈のもとに作られたのです。
19世紀のカメオ作品は比較的見つけるのは難しくはありませんが、18世紀のカメオは希少性が格段に上がりなかなか見つけることが出来ません。
当時の古代世界への情熱が感じられる美しいカメオジュエリーです。
このカメオの題材は、ギリシャ神話に登場するワインと酩酊の神ディオニソスの女性信者マイナスでしょう。
マイナスは、ディオニソスが行う特別な儀式によって、興奮状態に陥り、舞い踊るのです。
このカメオの天を見つめるような目、複雑な髪型の表現に、是非ご注目ください。このカメオを作った彫刻師は、古代世界のマイナスがどのような者だったのか イメージを膨らませるために、書物や彫刻等から受けたインスピレーションを元に、生き生きとした自由な感性のもとに作られたことを感じる作品です。
カメオは18世紀ですが、シャンクは後の時代に制作されたものです。
裏面はオープンセッティングになっていますので、裏側から光を通して楽しむことが出来ます。