フランドル　ステップカットダイヤモンドリング

この指輪は、おそらくもう二度と見つけられないくらいのとっても珍しい指輪です。この指輪の装飾は、本来は19世紀のクロスペンダントや透かしのペンダントに用いられる装飾ですから、指輪として仕立てられているのは極めて珍しいのです。19世紀初期の地方のジュエリーが実際の年代よりも少し古く見えるのは、宮廷で好まれたジュエリーのスタイルが地方へ伝わるのに時間がかかったからです。
そういった意味で地方で作られたジュエリーは大変興味深く暖かみのあるジュエリーなのです。

このリングの装飾は通常はこのようなクロスペンダントや透かしのペンダントに用いられています。
右側の紫の丸でかこった部分の装飾が同じタイプのものですから、是非リングと見比べてみてください。そして、左側の同年代のクロスにはステップカットダイヤモンドが用いられています。

右のジュエリーにはローズカットダイヤモンドが用いられていますが、これは、このジュエリーがそれほど質が高い作品ではないからです。
質の高い作品の場合はステップカットダイヤモンドが用いられます。