ビザンチン ガーネット ゴールドリング 5世紀後期〜6世紀前期
高く突き出したベゼルに、先端をカットしたコーンの形をしたガーネットがセットされています。
ベゼルの下部には、放射状に花びらのような深く刻まれた装飾 が施され、
その周りには一つ一つ作られた粒金が飾られています。
八角形の輪は中央部が微かに波打っており、内側は凸型で丸みをおびています。
ベゼルとリン グは別々つながっています。
この受け皿つきのベゼルのリングはローマ後期と北欧ゲルマンの「粗野な」文化との
美意識の統合を示す作品群を代表するものです。
〜ビザンチン芸術 モザイク画 皇后テオドラ〜
これらの作品群からは強い華美性が感じられ、宝石の色彩や、
まるで彫刻のような美しいベゼルに用いられている精巧な金細工(粒金、ピアスなど)に対するこだわりからも明らかです。
この高いベゼルの空間的存在が、石をさらに際立たせているのです。
このリングは、大きく、印象的で、力強く、とても優れたデザインであり、
輪が八角形で保存状態も良好、かつ石がオリジナルであり、
11,7gという十分な重さもあるので希少で高価なのです。
ガーネットの表面に小さな傷があります。
現代の学者達の本によると、
このタイプの高くせり上がったベゼルのリングが最初に登場したのは西暦5世紀のことで、
Reine Hadjadj は、受け皿付きのリングは6世紀初期のものだと推定しています。
これらのリングに最もよく使用された石はガーネットで、
使用された石に彫刻が施される事はなく、もし彫刻が施された石(例えば古代ローマインタリオのような)が
ついていた場合、それはオリジナルの石が失われ、
別の石に取り替えられたことを示しています。
これについては、セッティングから確認することが出来ます。
高くせり出したリングと美しい総称、力強い八角形のリングの特徴をよく分かって頂けると思います。
希少な第一級のリングですからサイズ変更はしてはいけません。
多角形の輪に、同じタイプの受け座のリング。
ダイアナ・スカリスブリック Historic rings より 橋本コレクションの指輪。
また、その他には下記の資料にも類似作品が掲載されています。
The Melvin Gutman Jewelery, Part III, Parke-Bernet Galleries, Auction, New-York, 5 december 1969, lot N° 35
Trésors de l’art ancien en Roumanie. Expo. Petit Palais de Paris, 1970. Refs. 304-305 ルーマニア(イストリア)で発見された6世紀の秘蔵品である2つのリングをご覧頂けます。