アールデコ エメラルドネックレス 「アポロンの竪琴」
このジュエリーは霧雨の中で開催された、あるアンティークフェアで見つけた作品です。
そのフェアは良い作品が稀に出るフェアなので何か良い作品が見つかれば幸運だと思いながら足を運び、運良く一件目でこの作品と出会い、
あまりの素晴らしいデザインにその日の仕事をもう終えてしまっても良いと思うほどの達成感、満足感を感じました(^-^)
この作品は他のジュエリーが目に入らない程、そこだけスポットライトを浴びているような雰囲気を放っていて、他の飛び抜けて美しい作品を見た時もそうなのですが作品の方から目に飛び込んできてくれるような感覚を覚えました。
良い作品を目の前にすると、心から湧き上がるような喜びを感じますね。この仕事をしていて良かったなと思える瞬間です。
この女王の様に美しいジュエリーのデザインイメージは楽器の竪琴でしょう。竪琴は芸術の神、アポロンのアトリビュートですから、アーティストのや芸術を愛する女性の為に作られた特別なデザインだと思います。
次ページから拡大画像を掲載していますので、是非ご覧下さい。

デザインバランスが悪いところが一つも見つからず、美しさに隙がありません。
アンティークジュエリーも人間が作ったものですから、もちろん出来不出来がはっきりしています、大抵は、ここがもう少し大きかったら、、とか、何か思うところはあるのですが、この作品はバランスが完璧で、圧倒されるような美のハーモニーを感じます。
ダイヤモンドの質は全体に良く、写真では写っていないのですが、どの石もとても良く眩く輝きます。

中央には重みを感じるガーラントの光り輝く装飾がたっぷりとあしらわれています。

左右のエメラルドの色は深く明るく強い印象的な色をしていて、このジュエリーデザインの重要なポイントになっています。おそらくコロンビア産のエメラルドでしょう。
細かくカットされたエメラルドがふっくらと丸みを帯びた台に丁寧にセットされています。

このジュエリーに使われているのがエメラルドではなく、サファイヤやルビーであったなら全く違う印象になっていたと思いますし、このデザインにはエメラルドを使うべきだと思います。

トップには3石のマーキーズカットのダイヤモンドが縦にセットされています。マーキーズカットのダイヤモンドがこの年代のジュエリーに使われる事は珍しいので、例えば、このマーキーズカットのダイヤモンドは芸術に感動して心動かされた時の涙を表しているのかなとか、いろいろ想像してしまいます。。。

そしてこのジュエリーの見せ場の一つであるこの曲線、素晴らしい出来映えです。
この作品をアンティークジュエリー専門の職人に見せたところ、同じ職人として到底真似出来ない技術の正確さを感じるし、自分にとっては敬意をはらうべき作品だと思う、と話していました。

そして、大きなドロップ型のカボッションのエメラルドが揺れるととても贅沢です。

厚みがしっかりあります。

優れた作品に感じられる繊細な立体感。
平面的な作りでは出ない美しさです。

裏面の作りももちろん完璧です。

この穴の開け方の完璧さ、素晴らしさ、、、。
作品の作りの良さは特に裏に出ます、良い作品ほどしっかり作られているからです。作品を見るときはまず裏を見る、と言ってしまっても言いすぎではないかもしれません。

ガーラント模様部分の穴の開け方も本当に丁寧で美しいです。

裏面。

白い背景。

真横。

この作品に似合うアンティークチェーンです。

クラスプ。

身に着けると、何とも言えない深い満足感を感じます。
ジュエリーでありながら、輝くオブジェのような雰囲気があります。
このような素晴らしい作品が残っていてくれた事と、出会えた喜びに感謝したくなります。
いつかは本当に素晴らしいダイヤモンドジュエリーが欲しいと思われている方、この作品に間違いはありません、自信を持ってお薦めできる作品です。