16世紀 イタリア 大天使に仕える司祭のリング
この大迫力の素晴しい16世紀のシルバーリングは、サイズの大きさから手袋の上から填めていたことが分かるので、司祭が身につけていたリングでしょう。
べゼルにはかなり立体的な天使がべゼル全面にデザインされていますが、このような様式の指輪はとても珍しいです、指輪の装飾、天使のデザインから、イタリアの作品であると言えます。
何故、迫力のある天使がデザインされているのか?ということですが、これはおそらく、司祭が属していた教会の特徴を表したリングなのだと思います、大天使、ミカエル、ラファエル、ガブリエルの名を持つ教会は沢山あるので、この指輪の持ち主であった司祭が属していた教会の名前も、大天使の名を持つ教会で、このリングの天使は、教会の大天使を表したものであると思います。
神々しい美しさ、というよりは、指輪の内側に溢れる信仰、信じる力の強さ、教会の力、など人間の生々しさをひしひしと感じる大迫力のリングです。

表面は摩耗していますが、これは、本物の証でもありますから、ケースバイケースでコンディションの良さばかりを気にしてはいけません。
この作品が確かに古い作品であり、当時の人々に使われた作品である、ということをはっきりと感じられる、ある意味大変素晴しい状態なのです。
特にこのようなリングの場合は、それが大変に大きな魅力にもなるのです。

天使はかなり立体的に出来ています、顔と手が前に出た作りです。

シャンク裏ですが、一度切って縮めてサイズ変更がされています。おそらくオリジナルの銀を切り取りたくなかったのでしょう。
これも指輪がたどってきた歴史を表しています。
オリジナルの状態に手を加えてあるから価値が下がるのでは?という心配は、これくらいの状態の場合はいりません。
この指輪は、オリジナルの状態が云々というよりも、この指輪に宿る精神の方が遥かに大切なのです。

シャンクのデザインにも、16世紀イタリアの特徴がでています。