トップ　>　 SOLDサインドピース SOLDペンダント&ネックレス 　>　LUCIEN FALIZE ルシアン・ファリーズ サイン無し ペルシアンスタイル クロワゾネエナメル ペンダント

19世紀の名高いエナメルジュエラーFALIZE(ファリーズ)の美しいクロワゾネエナメルペンダントです。
ファリーズは卓越したエナメル技法と異国文化を取り入れた独創的なデザインで、19世紀フランスの偉大なエナメルジュエラーとして名を馳せ、王侯貴族に愛されました。
ファリーズのエナメル作品はエナメルの魅力を最大限に生かしたデザインで、色とりどりの美しいエナメルがまるで宝石のように美しいのが特徴です。

19世紀にはまだ作品にサインを入れる習慣がそれほどなかった為に、この作品にはサインがありませんが、スタイルと技術から間違いなくFalizeと言える品物です。
では、何故この作品がファリーズ作品と言い切れるのか、このファリーズの本と共にご説明させて頂きたいと思います(^-^)

まず、この小箱。
全体的にデザインのテイストや雰囲気が良く似ており、同じくペルシアンテイストの作品です。
今回のペンダントの上部に扇形に広がった赤いエナメルの装飾がありますが、そのエナメル装飾のテイストが良く似ています。
小箱の方はカラフルなエナメルが施されたタイプです。

この作品は、全体のシェイプが良く似ていますね。
ご紹介しているペンダントのメインパーツは中央が盛り上がっているのですが、この類似作品も同じく
良くにています。

この作品も同じくペルシアンスタイルです。
金線の曲線の描き方などが非常に良く似ています。

資料に掲載されている作品と類似の特徴が沢山見つかりました。
デザインが類似しているだけではなく、作りもファリーズ作品のクオリティですから、この作品がファリーズ作品だと言えるのです。

このエナメルペンダントの色合いはとても洗練されており、シックで落ち着いた印象の中にもどこか暖かみが感じられます。
深く鮮やかな赤色のエナメルと独特のクリーム色のエナメルをマットな黒のエナメルで引き締めてあり、周囲を18kの装飾が飾っています。

デザインのスタイルはペルシアンスタイルです、ペルシアの美とファリーズの洗練された感覚が混ざり合い、
ひと目見るだけでファリーズ作品だとわかる、唯一無二の個性を持った美しい作品へと昇華されています。


ファリーズのエナメルの作品は手に取って動かした時に、作品の真の美しさを私達に見せてくれます。
透明感のある赤いエナメルが光りを受けると、土台の金が光りを反射し内側から光りが溢れているように見えるのです。
赤いエナメル以外はマットエナメルなので光りを反射しませんが、それによって赤いエナメルの美が引き立ちます。
そして、エナメルの間をすり抜けるような、まるで髪のように細い金線に光りがあたった時に見える、光の行方を示唆するような輝きが非常に美しい瞬間を見せてくれます。

クロワゾネエナメルとは細い金細工を境目にしてエナメルを施す技法の事です。拡大するとその素晴らしさが良くわかります。

そしてエナメルの表面に微妙な高低差があり強弱をつけているのも、美しさの理由です。
一番盛り上がっている部分は赤いエナメルです、僅かな丸みを帯びた盛り上がりが優しい印象です。
赤いエナメルとは対照的に黒いエナメルはやや凹んでいます。
そして一番低いのがクリーム色のエナメルです。三段階にわたって微妙な高低差が付けられているのです。
その差は1あるかないか、といったところだと思いますが、この微妙な加減が立体感と深みを生み出しているのです。
作者の並外れた美的感覚を感じずいはいられません。

小さな金細工のパーツのデザインも、独特で同時にとても洗練されたデザインです。
とても良い雰囲気を作っています。

小さなパーツも美しいデザインでまとめられています。

透明感ある赤いエナメルはカボッションのルビーのような美しさです。

金線は非常に細く髪の毛ほどの太さです。
縁の金細工の美しさも見逃せません。

斜め横。

メインパーツがふっくら膨らんでいるのがよくわかります。
ここが平らだと、美しさに差がでます。

全体の細やかなデザイン、エナメルの高低差、など、このような美しく見える計算された工夫が重なる事により、全体のバランスが調和し美が生まれているのです。

裏面、ブルーのエナメルです。

私も実際に胸につけてみましたが、 まず肌馴染みの良さに驚きました。
胸元にすっと収まってくれます。
素晴らしいアンティークジュエリーに共通する事ですが、デザインに個性があるのに全く派手ではなく、さりげない上品な美しさがあり、
アンティークジュエリーの素晴らしさを十分に感じられる作品だと思います。

なかなか出て来ない作品ですから、お好きな方には是非お薦め致します。
お値段もとても控えめです。


この男性がペンダントの作者のリュシアン・ファリーズです。

この肖像画は、なんとエナメルで名高いファリーズらしくエナメルで出来ています!(^-^)写真の様な出来映えですね!

こちらは写真です。
デザイン案を練っているのかもしれません(^-^)