古代フェニキア 紀元前6世紀 獅子のカメオのオリジナルスイベルリング
見た瞬間に心奪われる愛らしい獅子のカメオがセットされた素晴らしい指輪は、古代フェニキアの紀元前6世紀の全てオリジナルの作品です。フェニキアの装飾品として最高品質の作品を教科書的に表したような出来映えで、コンディションも例外的に素晴らしい状態を保っています。
獅子のカメオの造形は精緻で繊細、同時に愛らしくチャーミングな魅力があり、芸術性にも溢れ、文句のつけようがありません。
このような獅子が彫られたコーネリアンのカメオはスイベルリングのべゼルとして6世紀頃のフェニキアの特権階級層のファッションアイテムでした。そして、おそらくはフェニキアのキプロス島から、フェニキア人を通じてペルシャ人、ギリシャ人に受け継がれていったのです。。。職人にとっては、この装飾をいかに立体的に見せるかが腕の見せ所だったのでしょう、このカメオの出来映えを考えると、当時の第一級の彫刻師による作品だと言う事が良くわかります。この作品のオリジナルの持ち主も文句の付けようの無い完成度に大満足だった事でしょう。
この作品の類似作品が美術館に所蔵されていますが、それらと比べても全く見劣りしない素晴らしい出来映えに、ただただ残っていてくれたことに感謝したくなるリングです。
小さい物は可愛い、と思う気持ちに訴えかけてくるような作風ですから、
古代作品はよくわからない、という方でもこの指輪の可愛らしさは感じて頂けると思っています。この作品が出来てから数千年の間、どの時代でも大切に愛でられていた事がわかるチャーミングなリングです。
この指輪が出来た背景も含めてブログでも詳しくお話していますので、是非ご下記リンクより覧下さい。
この体のくたっとした休ませ具合がなんとも言えません。前足の交差する様子など可愛らしすぎます。顔もちょっとユーモラスでいいですよね。
そして古代のコーネリアンは、近代のコーネリアンとは産地が違うので石の質が違うのです。
回り込んだ尻尾の表現もチャーミングです。お腹の皮膚のたるみ具合も見てください。
耳の表現も本当に繊細です、そして耳と耳の間にフサフサと毛が生えているのも、本当に可愛いですね。
ぐるりと一周立体的に出来ていますから、どの角度から見ても楽しめます。
頭の毛はそのまま後ろへ流れています。
獅子が横になっている台座もついつい、どのような構造なのか気になってしまいます。
べゼルの出来映えも大変綺麗で、緩やかなボリューム感の増減などが美しいです。
とても明るい金の色をしています。
ショルダーに巻かれた細いワイヤーの雰囲気も綺麗です。
裏面。
希少な指輪ですからサイズ変更はしないで下さい。
カメオ部分真上。
真横。
カメオの裏にはエジプトスタイルでファラオのインタリオが彫られています。
インタリオを粘度に押した画像。
丸みを帯びた彫りでエジプト様式を模倣したファラオが彫られています。
左は古代エジプト美術の類似の例です。
中央にいるのは蓮の上に乗ったファラオです、これはファラオの誕生を意味しています。そして頭には王族のみが身につける事を許されたウエラウスと呼ばれる蛇の飾りを身につけています。
両脇にいるのはベス神とトゥエリス神、これはファラオの誕生を見守っているのです。
サイズはかなり小さめで7号くらいです。