古代美術 古代ローマ1世紀〜2世紀 Jean-Philippe Mariaud de Serres コレクション インタリオ 複合女神
このインタリオを見た瞬間、僅か大きさ18mm×12mmセンチの小さな石の彫刻に圧倒されるような感覚を覚えました。通常インタリオは小さい石の中に繊細な彫りが施されているのを楽しむものですが、このインタリオからは武装した神が石の中でゆっくりと歩いているような、ずっしりとした特別な重量感を感じました。石は濃淡のあるコーネリアン、石の美しさが幻想的な雰囲気も生み出しています。
サイズは通常よりもやや大きめで、石に厚みがありボリュームのあるタイプですが、このインタリオが素晴らしいのは石が大きいからではなくて、石の大きさを生かしたダイナミックで力強い重量感のある彫りだからです、まるで彫像のように堂々とした安定感が感じられ、素晴らしいオーラを放っているのがわかります!
モチーフも非常に面白いのも魅力です、ミネルバ、ヴィクトリー、セレス、フォルテュナの4人の女神の特徴を一つに合わせて表現してあるスタイルです。
そして、このインタリオはJean-Philippe Mariaud de Serres のコレクションだった作品です!Jean-Philippe Mariaud de Serres はパリで一番有名な古美術商でコレクターでもある人物でした。Jean-Philippe Mariaud de Serres のコレクションはクリスティーズなどのオークションでも紹介されています。
このインタリオの素晴らしさをお伝えしたくて、どうすればお伝えできるだろうかと、頭を悩ませながら説明を書いていますが、言葉でいくらその素晴らしさをお話しても写真では魅力が全く伝わらないのがインタリオというもの、是非お問い合わせください。
参考資料 H?l?ne Guiraud, Intailles et Cam?es de l’?poque romaine en Gaule, CNRS ?ditions, 1988. Ref. 110

是非、一円玉を手に取ってみて下さい。
このインタリオがいかに小さい作品であるか、感じてください。
ルースの状態でのご紹介なので、ハイキャットゴールドで古代風のリングに仕立てる事ができます。

厚みは5ミリあります。

インタリオは沈め彫りです、粘度に押すとその彫りがはっきりと浮かび上がります。
4人の女神が組合わさった神はどこか幻想的な彫刻で表現されています。
頭のイオニア式の兜はミネルバを、大きな翼はヴィクトリーを、左手のポピーの花はセレスを、足下の木片と右手のコルヌコピアはフォルテュナを表すアトリビュートです。
さらにこのインタリオが素晴らしいのはキトンから右足がすらっと出ていること!この表現は数あるインタリオでもなかなか見る事ができません。まさに、女神を美しくみせる為の工夫です。

裏面。