17世紀後期〜18世紀前期 キリスト カメオ
イタリアのバロック芸術の典型的な美が溢れ出ている素晴らしいカメオ、モチーフはイエス・キリストです。
一目見ただけで、このカメオの作者の技術が確かで、感受性に富み、芸術的な表現力に優れていた事がとても良く伝わってきます。18世紀のカメオ作品の中でも最上位に位置づけられる表現力の素晴らしさです。
イエスの苦しみや悲しみがカメオ全体に広がっていて、見ていると深く吸い込まれそうです、目に見える美しさを表現してあるカメオ作品はありますが、見事に内面を導きだしているカメオはごく少ないものです。
このカメオの作者は、このイエス像を細部まで細かくイメージしていたのでしょう。伏し目がちにな目、少しうつむき加減の横向きの顔、風になびく髪、入り組んだいばらの冠、、、すべてが繊細で緻密で計算されています。
石は明るすぎず暗すぎない暖色系のアゲートが選ばれています。
石のトーンは優しく穏やかな色合いで、色の移り変わりもとても繊細です。
この石の濃淡と雰囲気も、カメオの完成度を高めています。
コンディションは17世紀〜18世紀のカメオ作品として非常に良いです。
フレームは19世紀の作です。
このカメオのような憂いが漂うイエスの顔の表現は、バロック芸術の絵画にも見られます。次ページから絵画をご紹介しています。
カメオ作品は身につけて楽しめる事はもちろんですが、それ以上の楽しみがあります、それは装飾品としてだけではなく貴方だけの持ち運べる贅沢な芸術作品として彫刻を楽しめる事です。むしろ、カメオは彫刻芸術作品としての性格の方がずっと強いのです。
世の中には同じ物が沢山溢れています、これからもそうだと思います。
是非、約300年以上も前に既に存在していた、世界に一つの素晴らしい芸術作品であるこのカメオを所有する喜び、イタリアのバロック芸術の美を所有出来る素晴らしさと価値を知って頂きたいと思います。
このカメオと過ごす時間は、貴方の感性に語りかける、とても豊かな時間になる事でしょう。
Christ Wearing the Crown of Thorns, Supported by Angels 1587年
Annibale Carracci 作
La flagellation du Christ ? la colonne 1606年
Michelangelo Merisi dit Le Caravage 作
1571-1610
表情拡大
The Mocking of Christ 1617年
Gerard van Honthorst 作
真横。
裏面。