古代美術 古代エトルリア紀元前4世紀 オールオリジナルリング スカラベ 「泉のヘラクレス」
古代エトルリアの最盛期を彷彿とさせる非常に優れた品質の全てオリジナルのコーネリアン スカラベ インタリオ リングです。リングもオリジナルの作品は非常に珍しく貴重で、最上の美術館級の作品になります。
インタリオの題材は12の偉業を成し遂げた英雄ヘラクレスです。
恐らくこのインタリオの題材の神話は足下に彫り込まれている弓矢から、ヘラクレスの6番目の偉業、ステュムパーリデスの鳥退治にちなんだシーンだと思われます。
軍神アレスに可愛いがられていたステュムパーリデスの鳥達は翼の先が青銅で出来ており、人を襲ったりして暮らしていました。ヘラクレスはステュムパーリデスの鳥達を退治する為に、アテナとヘパイストスから授けられた大きな音がする 鳥脅し と ヒュドラの毒を塗った弓矢 を使ったのです。
鳥退治を終えた後のヘラクレスは疲れを癒す為にこの地を訪れ、弓矢を地面に置き、水瓶に水を汲んでいる、そんなシーンなのかもしれません。
インタリオを粘土に押した画像です。
想像力溢れる大変素晴らしい彫りです。
身をかがめたポーズは全身の肉体の自然な動きが良く表現され、特に太股からふくらはぎ、足下へが力強くまとめられています。
手には棍棒を持ち、足下には弓矢が彫り込まれています。
水瓶を見つめて動物の口から溢れ出る水を汲む姿は、ヘラクレスの神話のワンシーンを詩情豊かに表現しています。
縁にはギザギザ模様の縁飾りが彫り込まれています。
古代エトルリアスカラベの素晴らしい品質のインタリオです。
では全体像をご覧下さい。
このスカラベはインタリオだけではなく、スカラベの出来映えも非常に優れて安定しています。また、石もとても鮮やかなコーネリアンが使われ、石にもふっくらとした厚みがあり、とても美しい仕上がりをしています。
どの角度から見ても、スカラベだとわかる写実性があります。
斜め横。
斜め横。
スカラベの足の表現もはっきりした彫りで素晴らしいです。
インタリオ部分。
インタリオ部分。
また、オリジナルのシャンクの装飾も非常に美しいです。
エトルリアの金細工の美しさを感じて頂ける細かな細工です。
スイベルリング(回転式の指輪)ですから、インタリオはクルクルと回るようになっています。
フープの部分は捻った金で出来ています。
参考資料を掲載します。
これはスカラベもリングも古代エトルリア紀元前4世紀の作品です。
今回ご紹介しているリングと同じ年代の作品です。
参考資料。
こちらは、スカラベもリングも古代エトルリア紀元前3世紀初期の作品になります。モチーフは棍棒を持ったヘラクレスで、水瓶に水を汲んでいます。
この題材には弓矢が彫り込まれていませんが、1世紀の間にわたって似た題材が使われていた事がわかります、紀元前4世紀の作品に比べてクオリティが低くなり、グロボロスタイルが取り入れられ始めていることがわかります。
指に嵌めると、古代エトルリア時代のスカラベを身に着ける喜びを感じます。
モチーフの素晴らしさ、繊細な感覚、このような作品が時を超えて残っていてくれた事に深く感謝せずにはいられません。
もちろんこうして身に着ける事もできますが、シャンクやフープが繊細な金細工なので、どちらかというと、コレクションして楽しむ為の美しい指輪です。
サイズ変更はしてはいけません。
このクラスのエトルリアのスカラベは滅多に出て来ませんから、古代のジュエリーにご興味のある方には是非お薦めしたい作品です。
下記リンクからエトルスカンスカラベのブログも是非ご覧下さい。