古代ローマ 紀元前1世紀 牛インタリオ リング
黒色がベースのとてもに美しい縞模様のアゲートに、牛が彫り込まれた古代ローマ紀元前1世紀の古いインタリオです。
黒から白、微妙な色の茶色へと石のグラデーション自体がとても綺麗で、牛とモチーフの石との相性も抜群で古代人の芸術的感性の高さを感じます。
石は全体的にとても艶のある美しい仕上げで、大変シックで落ち着いた印象の作品です。
石の縞模様の使い方、石とモチーフの組み合わせ方に感覚的な斬新さを感じます。古代ローマの古い作品であるのに、数千年の時を経た私達が見ても新鮮で瑞々しい感性が宿っているようです。インタリオは派手で分かりやすい作品ではありませんが、この小さな石の向こう側には古代の無限の世界が広がっているのを感じます。
おそらく、この牛モチーフの美しいインタリオは、この古代のモザイク作品で表現されているような裕福な農家のオーダーで作成された作品だと考えられます。
ルーブル美術館の古代ローマの同時代の大きな大理石の作品、当時の牛の姿を見ることができます。
インタリオは古代の作品ですが、リングは19世紀の作品になります。19世紀に古代のインタリオにあわせてリングとして加工したのでしょう。
裏面。
18kを表すフクロウのマーク。
これはヨーロッパで18kで作られ、フランスへ輸入された事を示しています。
アンティークには摩耗などの理由が無い限り品質を表すホールマークは必ず刻印されていますから、確認してみて下さいね。
粘土に押すと、古代ローマ時代の牛の姿が浮かび上がります。