ロシア ミニアチュールイースターエッグ Koechly, Friedrich Christian 作
この小さな可愛い卵型のペンダントは1900年にロシアのサントペテルスブルグで制作されたジュエリーです。金の表面に模様をつけ、美しいダイヤモンドとカボッションカットサファイヤを周囲に穴を開けたユニークな装飾と共にセットしてあります。
何故このジュエリーが卵型かというと東方正教会の復活祭で使われる色づけしたカラフルな卵をモチーフにしているからです。イースターエッグのジュエリーを見ると、子供の頃に復活祭用の卵に絵筆で色づけした事を思い出します。
イースターエッグと呼ばれるこれらのアンティーク作品はとても人気があり、世界中にコレクターがいます。特にロシア製の作品が人気がありますが、イースターエッグや卵の形をしたオブジェはロシアだけではなく、イギリスやフランスでも当時流行して制作されていますから、ロシアの作品かどうかを確認するにはホールマークが重要な手がかりになります。
また、イースターエッグで特に有名な作品ではファベルジェの創作による様々な意匠と仕掛けを組み込んだインペリアルエッグがあります。インペリアルエッグとはファベルジェ家により作られた宝石の装飾が施されたイースター・エッグのうち、ロマノフ朝のロシア皇帝アレクサンドル3世、ニコライ2世のために作られた大きなエッグのことです。
珍しく可愛いミニアチュールエッグのペンダントです。
どうぞご覧下さい。

綺麗なカボッションカットのサファイヤが留められています。周囲に穴をあけた珍しい装飾が施されています。

小さなカボッションカットサファイヤですが、透明感があり綺麗な石です。

小さなダイヤモンドも留められています。

底部分。

裏面。

56ゾロトニクのホールマーク、これはロシア製の14kである事を示しています。
ロシアのアンティークは14kで作られている事が殆どですから、これは品質が落ちるという事ではありません。
アンティークの場合、ホールマークが打ち込まれていることが普通ですから、打ち込まれていない場合は、何か理由があるかフェイクかのどちらかです、
ロシアのアンティークジュエリーはとても人気があり高価な為に、フェイクも多く存在するので、ロシア製かどうかを判断する時には必ずホールマークがあるかどうかを確認しましょう。

Koechly, Friedrich Christian 作(Фридрих Христиан Кехли)の刻印。
Koechly, Friedrich Christian はロシアの帝室御用達のジュエラーの一人で
、王妃のティアラなどを作成しています。

とてもチャーミングなロシアンイースターエッグのペンダントです。
愛らしい普遍的な形や、素晴らしいインペリアルエッグに代表されるイースターエッグへの夢は、現在も世界中の人々を魅了しています。