オフィーリアの指輪
永遠に覚めない眠りについているのか、夢に耽っているのか、、、神秘的な表情の女性がモチーフのアールヌーヴォーの指輪です。女性の顔がモチーフのアールヌーヴォーの指輪は稀にみかけますが、この指輪ほど顔の表情が素晴らしい指輪を見かける事はそうそうないでしょう。顔の大きさは約1cm、その小さな世界の中に見る者を強く惹きつける神秘的な美しさが漂っています。
モチーフはおそらくシェイクスピアの戯曲ハムレットに登場する悲劇の美少女オフィーリアでしょう。
そしてこのリングは漂う儚さとは対照的にずっしりと重い素晴らしい作りをしています。重さは11.5gありますが、指輪一つの平均的な重さが3〜4gである事を考えると、この指輪がいかに贅沢に金を使って作られた例外的な指輪である事を分かって頂けると思います。

素晴らしい表情をご覧下さい。

さらにこの指輪の素晴らしいところは内側に日付けが刻まれているところです、1909年3月11日が何の日付けであるのか、何故オリジナルの持ち主はこの日付けを刻ませたのか、過ぎた過去を想像することが出来るのはこの上ない贅沢な時間になる事でしょう。

正面。

花や髪のうねりなどにアールヌーヴォーらしい特徴が出ています。

摩耗もそれほどなく、コンディションも素晴らしいです。

真横。シャンクにも髪の装飾が流れるように施されていて美しいです。

反対側。

このリングに刻まれているdeposeとはコピーライトの意味です。
このリングを作った作者があまりの出来映えの美しさに、このデザインがコピーされることを恐れて記したのでしょう。

内側に年号が刻まれていますから、サイズ変更は出来ません。

刻印拡大、フランスの鷲の18k製であることを示すホールマークとメーカーズマーク入りです。

指に嵌めると心地良い重さを感じます。指通りも滑らかで嵌め心地もとても良い作品です。