17世紀 磔のイエス 祈りの指輪
黄金の磔のイエスがモチーフの17世紀の古く貴重な指輪です。
当時は現在よりも死がずっと身近な存在で突然に死んでしまう事も少なくは無かった為に、いつでもイエスを身に着ける事で突然に死を目前にしてしまった場合でもすぐに祈りを捧げる事ができるように、このような指輪がありました。
黄金のイエスはカボッションの水晶で守られています。カボッションの水晶はドーム型でガラスのレンズのような役割を果たしていて、広大な宇宙を思わせるようなとても神秘的な雰囲気が生まれています。イエスが世界を救ったというメメッセージが視覚的に感じられるようなデザインにまとまっているのが素晴らしいです。
イエスの背景はブルーエナメル、シャンクには赤色が使われていて、青と赤の組み合わせが聖母マリアを連想させます。

正面。
イエスの彫金も細かな表現です。

シャンクのデザインが細かくて、エナメルが施されていてとても綺麗です。
水晶もかなり厚みのあるものが使われています。

裏側もとても凝っていて、イエスキリストを示すIHS(Iesus Hominum Salvator)の文字と十字をいばらが囲っている素晴らしいデザインです。いばらのエナメルからシャンクの赤いエナメルへつながっているので、この赤いエナメルはイエスが流した血も表していると思われます。イエスの血についてプレソワミスティックという興味深い図像がありますのでご覧下さい。
プレソワミスティック
施されているエナメルは後の時代に一部リペアされていますが、約400年前の作品である事を考えれば普通の事です。
古く貴重なリングです、17世紀の貴族女性の指に嵌められていた指輪でしょう。