トップ　>　 SOLDオブジェ 　>　骨董　壷　クロワゾネエナメル

19世紀末の日本の骨董品です。濃紺の地に白い藤の花が繊細なクロワゾネエナメル(有線七宝)で表現されていて、その細かさについつい見とれてしまう作品です。パリ万国博覧会にも似たタイプの作品が出品されていたようで、これは日本から西洋への輸出用の作品だったのでしょう、日本の骨董品が海と人種を超えて長く大切にされ続けてきた事を考えると嬉しい限りです。七宝とは七つの宝と書きますが、これはその美しさから宝石にも匹敵するという意味があるとも言われています。大きさは15.5cmと小振りな作品です。

壷の一周をくるりと藤の有線七宝が飾っています。同じ模様は一つとしてありません。

ついくるくると回して見てしまいます。

首のあたりの装飾はややカラフルです。

こうして表面を拡大すると、この壷の有線七宝がいかに素晴らしい仕事であるかを感じて頂けると思います。花の一つ一つ、葉の一枚一枚が真鍮のごく細い線でかたどられそこに七宝を施すのですから、この小さな壷を一つ作るのにどれだけの時間と労力がかかったことでしょう...。表面はツルツルとしており非常に滑らかです。

花の表現、花の茎の細かさ、本当に素晴らしい職人の技です。こうして海を渡った日本の骨董品が綺麗な状態で残っているのを見るのは嬉しいですね。