3世紀 ヘレニズム ゴールドピアス 「愛の神 エロス」
この愛らしい作品は、ヘレ ニズム期の小さな黄金のピアスです。モチーフは愛の神エロス、エロスの小さなピアスはこの年代に流行し美術館や資料でも同タイプのピアスを見る事ができま す。当時の上流階級の貴婦人の耳を飾っていたのでしょう、耳元に愛の神のエロスのピアスを下げるのはとてもロマンティックですね。
千数百年の時を超えて残っていた事が奇跡といえる程、とても繊細な作りをしています。とても小さいのですが、良く見ると、顔立ち、体、羽、手にマスクを持っているなど描写が非常に優れている事に驚きます。
片方のみの作品ですが、コンディションはとても美しく保たれています。
一応試しに身に着けてみましたが、本当に愛らしく、また古代のピアスを身に着けるという行動自体に、とても感動しました。指輪とはまた違った一体感を感じます。
ヘレニズム期の大変貴重なアートピースを手元に置く事は深い満足感を感じて頂ける作品でしょう。
大きさはこれくらいです、大きな写真を掲載するとわかりにくいですが、本当に小さく繊細な作品です。
同じく3世紀のエロスのピアス達です。同じようなスタイルの作品が残っていますから、愛の神エロスのピアスを耳に下げる事は当時の女性達にとって、より愛らしく輝けたり、良縁をもたらすお守りのような役目もあったのかもしれないですね。
上半身拡大。
これは約9ミリ程の大きさですが、顔立ち、お腹のふくらみなどの描写がとても細かい事がわかります。
顔拡大。
お腹から足のラインの描写、肉付けの感じなどがとても繊細な表現です。
そして、手に持っているものは、なんと喜劇のコメディアンマスク!なんです。
このマスクは約3ミリから4ミリの大きさ、しかもマスクはきちんと下向きに表現されているのです!
ハドリアヌス帝のヴィッラのモザイクに描かれた喜劇用の仮面(後2世紀)、カピトリーノ美術館。
ビーデットワイヤーの丸い飾りがついています、この飾り部分はピアスによってはロータスの花の装飾であったりします。
裏面。
繊細な羽とマスクは体の部分を仕上げた後に作られた事が分かります。