アリアドネ又はバカンテ カメオ
素晴らしい多層のアゲートのカメオです。色の濃淡の美しさは目をみはるものがあります。単純に2層、3層といえるようなカメオではなく部分部分で石の濃淡を見事に利用して髪型や衣服に奥行きと影を表現しています。ここまでのレベルのカメオは大変珍しくあまり見つかるものではありません。モチーフは葡萄を髪に飾った若い女性なので、おそらくバッカスの妻のアリアドネかバカンテ、イタリア18世紀後期のカメオでしょう。
葡萄の葉の周囲や、衣服に影が表現され、立体感を感じさせます。石の使い方が本当にうまいですね。おそらく作者はこの多層の石を見た時に自分のイマジネーションを膨らませてこのカメオを作成したのだと思います。
カメオは角度によって顔の表情がかわります。本当に小さな彫刻作品ですね。
人物の肌の部分はマットに、衣服の部分は艶のある磨きがされ、仕上げの仕方に差をつけています。
横から。クラバットピンのなっているので、ブローチや指輪に作り直しても良いと思います。
裏面、石の面白さがよくわかりますね。このような細かい層を見てカメオを彫りあげるのにはイマジネーションとセンスが必要で、まさにアーティストの仕事だなと思います。
クラバットピンでも良いですが、ブローチか指輪にしても良いと思います。