18世紀後期 シルバー クロス ペンダント
18世紀のフランス、おそらくピカルディーのシルバークロスペンダントです。
華やかなデザインのクロスは、4つの揺れるパーツから出来ていて、
それぞれのふっくらしたドーム状のパーツに小さなダイヤモンドが留められています、
トップの花のデザインも翼のようで綺麗です。
とても華やかで素敵なクロスですが、このようなクロスは本来は宗教上の信仰用に作られたクロスでした、
それが徐々にジュエリーとして美しくあるようにデザイン性も高められていったのです。
そして、このクロスの産地のピカルディーのようなフランスの地方で作られた
ジュエリーの元のデザインは宮廷の貴族がつけていたものです。
それらが数十年単位で時間をかけて地方へ伝わった為に、
宮廷のジュエリーと地方のジュエリーのデザインには時間的な差があり、
地方のジュエリーは制作された年代よりも古く見えるのが特徴です。
そして、宮廷の貴族が身につける豪華なジュエリーのデザインが、
地方へ渡っていったという印が地方のジュエリーには見られます。
それは例えば、大きさやダイヤのサイズだったりするのです。
この年代のシルバークロスに、全体の大きさにくらべると小さすぎる
極小のダイヤモンドが留められているのは、そのような理由からです。
ふっくら丸みを帯びたパーツには小さなダイヤモンドが留められています。
全体にとってもしっかりした作りで、バランスが良くて、本当に良いシルバークロスです。
裏面には、使用による摩耗のあとが見られます。
このような摩耗の後は、フェイクジュエリーには見られない本物の証でもあります。
バチカン部分、ホールマークが打ち込まれています。