LUCIEN FALIZE リュシアン・ファリーズ? サイン無し エナメル サファイヤ ブローチ
華やかで類い稀な圧倒するような重厚なエナメル、
ずっしりとした素晴しい重み、際立つ独特のデザインと優れた作り、
サインはありませんが、恐らくフランスのジュエラー、ファリーズ作かと思われるブローチです。
リュシアン・ファリーズ
ファリーズはアレクシス・ファリーズ、リュシアン・ファリーズ、アンドレ・ファリーズの3代に渡って、1838年から1936年まで続いたメゾンです。万 国博覧会でのグランプリ受賞や王室宝飾品の制作、ルネサンス様式などのジュエリー、今回ご紹介するような素晴しいエナメルを駆使したジュエリーで成功しま した。
アレクシス・ファリーズ作
そして、私たち日本人にとって興味深いのは、浮世絵に影響をうけたエナメル作品も手がけていることです。アレクシス・ファリーズは日本の浮世絵を多く所有しており、日本の様式のエナメル作品をエナメル作家のアントワーヌ・タールと共に制作をしています。
今回ご紹介するブローチは優れたエナメル作品を多く制作したファリーズを思わせる素晴しいエナメル作品です。
この多彩で複雑なエナメルの素晴しさ、作品自体が宝石のような華やかなデザインに目を見張るばかりの作品です。
とにかく圧倒的な美のオーラに溢れています。
どこを見てもバランスの取 れたデザインで、密度のある美しさに全く隙がありません。
試しに、細かなデザインの一部、例えばグリーンエナメルの中央の四角い赤のエナメル装飾を手で隠 して、もしこの装飾がなかったら?と想像してみると、この赤の装飾は絶対にあった方がよいことに気がつくのです。とにかく細かな部分まで完成されたデザイ ンなのです。
そして、このサファイヤの 美しさ、覗き込むと、すみれ色の輝きが奥へずっと続いているかのようです。周囲にセットされた3つの小さなダイヤモンドの白い輝きも大変良いアクセントに なっています。それに、三角にカットしてあるサファイヤの斬新な使い方がまた素晴しいです!例えば、このカットが四角だとまとまりが悪くなりますし、丸型 だとデザインの面白みが半減しますから、ここは絶対に三角にカットするべきなのです。色からおそらくセイロンサファイヤだと思われます、このデザインの素 晴しさは、石自体の美しさがあってこそなのは言うまでもありません。
ブローチの下には淡く同時に深い色の美しいドロップ型のサファイヤが垂れ下がるようになっています。
ゆっくりを咲く花を思わせる赤いエナメルとの組み合わせもとても素敵です。
この作品はエナメルが素晴しいだけではありません。作品全体に感じられる内側から盛り上がるような、ふっくらとした厚みからも作りの良さが感じられます。
側面。
この裏面の作りの堅牢さ、丁寧な仕上げの美しさをご覧下さい。
ピン部分の作りもたいへん丁寧でしっかりしています。
それでは、ファリーズの本に掲載されている類似の作品を数点ご紹介致します。
サインドピースでもサインがない場合は沢山ありますから、類似の作品との比較がとても重要になってきます。
今回ご紹介しているファリーズ作品と全体の雰囲気や細かなディティール等がとても良く似ています。
類似作品。
類似作品デッサン。
類似作品。
エナメルを用いたジュエリーで、ここまでの完成度の作品はそうそう見かけるものではありません。
ファリーズ作品は、ピアスや、ペンダントの繊細で美しい小さな作品を見つけることができて買い付けてきましたが、
今回の作品は、今までご紹介してきたタイプとはまた違って、ずっしりとした重みのある堅牢な作りのお品物です。
どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。