プシュケ カメオ エナメル 18世紀
繊細な薄桃色のグラデーションが美しい4層のアメジスティンヌと呼ばれる石に、ギリシャ神話に登場するプシュケが表現されています。プシュケは髪に蝶の羽をつけた姿とされ、絵画、彫刻などの沢山の芸術作品に登場する可憐なモチーフです。
このカメオの魅力は、石の層を上手く使ってプシュケの横顔を絵のように綺麗に表現しているところと、華やかなフレームの独創性にあります。
石の層を上手く使ってプシュケの横顔を絵のように表現しているところに注目して見てみましょう。
一番上の層は頭の白い羽の部分、次に髪や衣服の半透明の薄桃色の部分、その下が白い肌の部分、そして最後が地の濃いワイン色の部分です。地の色が濃いので、プシュケが幻想的にくっきりと浮かびあがっています。
そして、赤みを帯びた層には独特の玉模様があり、美しいアゲートのナチュラルな魅力を感じて頂けるでしょう。
美しい層を使ったストーンカメオの魅力は、石そのものの美しさを生かしてモチーフを表現した彫刻師の芸術的感覚の素晴らしさを感じる事が出来るところです。
そして、カメオを飾る額縁の役割を果たすフレームの独創性の素晴らしさも見逃せません。シンプルなフレームももちろん良いですが、アンティークカメオの場合はフレームの美しさにも注目したいところです。
ピンクとイエローのカラーゴールドによる花の彫金の装飾は、カメオを彩るような立体感、全体に華やかさを添えています、このようなカラーゴールドの装飾は優れたアンティークジュエリーに見られます。
さらに、カメオのフレームには他に類を見ないような独創性があるのが素晴らしいのです、地金の金を四角く残し、回りにブルーエナメルを施しているのでまるでチェック模様のような仕上がりになっています。
チェック模様とカラーゴールドの彫金の組み合わせから、他にないようなオリジナリティを感じます。
斜め横。
反対側。
横部分。
暖かみのあるカメオと独創性溢れるフレームの組み合わせが絶妙なバランスを保ったストーンカメオジュエリー、カメオの繊細さとフレームの華やかさが魅力的な珍しい作品です。
一部カラーゴールドのフレームにダメージがありますが約200年前の作品ですから、普通のコンディションです。ご希望であればパリの熟練の職人がいますから修復が可能です。