18世紀 超細密彫り マイクロカーブドアイボリー リング
18世紀に作られた驚異のリングをご紹介致します。3本の木と、滑車付きの井戸、3人の人物と、3匹の羊達、、、、ベゼルに描かれた細かな絵のように見えますが、実はこれは絵ではなく、なんと全てカーブドアイボリーです!
人間離れした、あまりの細かさに想像が出来ないかもしれませんが、アイボリーを細かく彫った世界最小の彫刻作品なのです。
信じられないかもしれませんが、風に揺れているような木の葉や、細い山羊の足、もちろん、井戸の滑車の細い紐までもがアイボリーです。
このような作品を見ると、人間の底知れぬ可能性を感じて感動します。
「細かな物を彫る」という力においては人間が持ちうるであろう能力の限界を表しているのが、この、「超細密彫り・マイクロカーブドアイボリー」と呼ばれる 作品群です。この人間離れした細工は18世紀にのみ作られ、極めて高い技術をもったごく一部の職人のみが作ることが出来た作品です。
アイボリーの一部が茶色くなっていますが、希少価値から全く問題ない範囲のダメージです。
こうして細かな部分を拡大すると、恐ろしい程の細かさを感じて頂けると思います。女性の顔立ち、胸のふくらみ、衣服のドレープ、、、手前から億へと遠近を 感じる山羊のポーズ、山羊の足の隙間がきちんと開いていたり、角の先端など、是非是非よく見てみて下さい。一つ一つが見せ場の連続ですから、少しの力加減 で女性の首が折れてしまったりしたら、また最初からやり直しですから、並外れた集中力がないと出来なかった仕事だと思います。
このマイクロカーブドアイボリーは通常は小箱などにセットされ、指輪として作られているものは、とても珍しいです、ご紹介しているマイクロカーブドアイボ リーはリングになっていますが、買い付けた時はベゼルのみの状態でした、小箱にセットする為の装飾として作られたものかと思いましたが、大きさからおそら く指輪用に作られたものだと思います。
それをパリの職人に頼んで指輪に仕立てましたが、大変綺麗に仕上がっています。
まるで、永遠に静寂の世界がガラスの中に閉じ込められたような、儚さ、繊細さを感じます、眺めていると惹き込まれそうな不思議な魅力を持った独特の作品です。周囲は小さなダイヤモンドで控えめに飾られています。
この二人は一体何を話しているのでしょうね、、、そんなことを考えていると、どんどん、この別次元の静寂の世界に引きこまれていきます。
まるで時の狭間にある記憶の欠片を見ているようです。
風にそよぐような木からも、独特の世界感を感じます。
指輪はとても綺麗に仕上がっています。
サイズ変更も可能です。
同タイプの類似作品です。
左上 18世紀 フランス
右上 18世紀 フランス ブリティッシュミュージアム
下 18世紀 フランス ブリティッシュミュージアム