古代ローマ インタリオ リング
大変珍しい古代ローマ紀元前1世紀のオレンジコーネリアンのインタリオです。モチーフの膝をついている戦士はおそらくパトロクロスの死を悼むギリシャ神話の英雄アキレス。膝をつき深く頭を下げるポーズにパトロクロスを失ったアキレスの悲しみが現れています。アキレスは頭にヘルメットを被り、手には丸い盾を携えています、体には何も身につけていませんが、古代世界では戦闘において勇敢さを示すために鎧を身につけずに戦うことは珍しいことではありません。インタリオは指先に乗るほど小さな作品ですが、作成されていた年代、題材、スタイル、素材などが多種多様に存在し古代世界を想像させる世界で一番小さな彫刻作品群なのです。
インタリオにはカメオのような華やかさはありません。どちらかというと一見しただけではわからない隠れた魅力を持っているのがインタリオです。こうして石の表面に光が反射した時に、時折くっきりとモチーフが浮かびあがる神秘的な瞬間があります。
見る角度や光の加減によって、石の色や彫りの見え方などが変わります。
石の色は透明感のある美しいオレンジ色のコーネリアンです。古代の石なので熱処理がされておらず色合いが均一ではない面白みのある石が使われています。
斜めから。
シンプルな金細工が美しいリングは19世紀中期の作りです。
シンプルな金細工が美しいリングは19世紀中期の作りです。
裏面。
少し固めの粘度に押すと彫りがくっきりわかります。
小指にはめられる小さなサイズですが、サイズ変更は可能です。インタリオを手に取れば古代世界の小さな彫刻を身につける事の出来る喜びを感じて頂けると思います。