ネロ帝　カメオ　19世紀後期

古代ローマの歴代の皇帝の中でも、一際激しい人格を持っていたネロ帝のカメオです。
このカメオはフェイスラインをびっしり覆う見事なヒゲからネロ帝かアドリアヌス帝かと思ったのですが、このカメオはアゲートなどの石を使わず、独特の雰囲気をもつ壊れやすい石のタイガーアイをわざわざ選んで彫っているところに、ネロ帝の激しさを表現しようとした彫刻師の計算を感じますから、ネロ帝でしょう。

ネロ帝がローマに火を放ったと言われているローマの大火の炎のように、ゆらゆらと光るタイガーアイはネロ帝の恐ろしさを表すのにぴったりの石です。タイガーアイはとても壊れやすい為に、タイガーアイのカメオはとても希少なので見応えがあります。

カメオ拡大。

丁寧な作りのフレームのデザインもシックでこのカメオにとても良く似合っています。
いくらカメオが美しくても、フレームのデザインや作りが悪くてすべて台無しになる事もありますから、
このカメオとフレームの違和感の無い相性の良さも魅力ですね。

鼻先と淵に若干の欠けがありますが、希少なカメオ作品として普通のコンディションですから、気にされる必要はありません。