14世紀〜15世紀 巡礼者のバッチ
この鉛製のオブジェはパリのセーヌ川で発見されたものです!
中世にカトリック教徒が身に着けていた巡礼用のバッチで聖母とキリストが表現されている珍しいオブジェです。
中世の巡礼者は巡礼地でバッチを購入し、巡礼地によってバッチのデザインが違っていた為に、訪れた巡礼地がどこかがわかるようになっており、巡礼者は外衣、帽子、首の周りなどに身に着けていたのです。
多くの人が購入できるようにと安価なものが殆どですが人気のある聖トマス・ベケット巡礼地では作りの凝ったバッチが制作された例もあります。この巡礼の バッチは安価で農民でも購入出来た為に巡礼土産として大量に生産され、1466年にスイスのアインジーデルン修道院では2週間のうちに130,000個の バッジが販売された記録が残っています。
そして、この巡礼のバッチを水に投げると幸運が訪れると信じられていた為に、多くのバッチは川周辺で発見される事と、作りが薄い為にコンディションが原型を留めて残っているものは非常に稀になります。
このように、巡礼は当時の流行の一つでした。
中世の人々は巡礼の旅を楽しみながら、巡礼地でバッチお土産として購入するなど、感覚としては現代の私達となんら変わる事がありません。
このバッチについて思いを巡らせていると、中世の人々の生活をとてもリアルに、そして身近に感じる事ができるのです。
巡礼の様子を描いています。
中世の人々の生活。
中世の人々の生活。
これはバッチを制作する時に使われた型です。
これは聖ジョージの竜退治がモチーフの巡礼バッチ。
イギリス1400年〜1550年頃です。
弁財天へお参りする人々の広重の絵です。